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点火セッティング

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SP-TDCは順調にやってますが、若干ネタ不足(^^ゞ
 
セッティングしてる方も増えてきたんで、今日は点火セッティングのお話でも♪
 
点火セッティングは、やったとしてもピックアップ位置の変更、
突起の加工、ポイントの調整、そんなところが一般的ですよね。
ところが、これらは点火タイミングを全体的に変更するってことにしかなりません。
 
でも、これがみなさんが知ってる点火セッティングじゃないでしょうか。
 
これが現状ですから、本当の点火セッティングなんてほとんどの方がやったことないわけです。
ということだから、巷のウワサで結構間違ってることが多いんです。
 
なのでちょこっとだけ3D点火のセッティングを紹介してみます♪
 
点火タイミングも、キャブセッティングとほとんど同等の奥深さがあります。
進角しすぎてもダメ、遅角しすぎてもダメですね。
 
まず最適な点火タイミングっていうのは、最大爆発圧力がATDC10あたりにくることだそうです。
燃焼には時間がかかるから、その時間を差し引いて点火する、これが進角ですね。
 
この燃焼時間が一定じゃないから、進角を可変する必要があるわけです。
 
どう一定じゃないのかっつ~と、圧力と混合気の濃さが一番影響します。
 
圧力が高いと、燃焼速度は速くなって、低いと遅くなるんです。
混合気は、濃いと速くなって、薄いと遅くなります。
んで、燃焼速度が速いってことは、遅く火をつける、遅角ですね。
燃焼速度が遅いと時間がかかるんだから早めに火をつける、進角です。
これが点火セッティングの基本になります。
 
感覚的には、進角しすぎは混合気が薄いように力なく回転が上がる感じで、
遅角しすぎは混合気が濃いのと似て、重っ苦しく回転の上がりがにぶいって感じです。
 
 
まず一般に回転が上がると進角・・・ ですよね。
これが間違いではないけど、正しくもない って感じです(笑
燃焼時間は一定だから、高回転では早めに点火しなければいけない って言われてますが
これは間違いです。
一定なのは燃焼核形成時間であって、燃焼時間は一定ではありません。
回転があがるということは、ピストンスピードがあがる。
そうすると圧縮スピードがあがりますよね。
これは圧力が上がったのと同じことになるんです。
てことは、燃焼速度は回転が上がると速くなるってことなんです。
 
燃焼核形成時間だけが一定なので、ある程度の回転までは進角させることになりますが
そのうち燃焼速度の上がり方が追い越すんで、最高回転では少し遅角にふるってことになるんです。
 
エンジン保護のために高回転では少し遅角させる、
それも確かにありますが、最適な点火タイミングもそういうカーブになるんですね。
 
 
 
それからアクセル開けたら進角。
これは完全に間違いです。
アクセル開けるってことは、
大量に混合気が入る → 圧力上がる → 燃焼速度速くなる → 遅角  になります(^^)b
 
でも実際にアクセル開けたら進角させたほうが調子いいじゃん。
これも良くいわれます(^^ゞ
基本的にはアクセル開けたら遅角なんですが、
アクセル一定で走行してるときってそんなにパワーいらないですよね。
だからそれほど進角させなくてもいい。
それでパワーのいる開け始めのほうが進角になるってことです。
これで、アクセル開ける → 進角 と錯覚を起こすわけです。
 
燃調でいうところの、理想空燃比、経済空燃比、パワー空燃比がちがうようなものですね。
 
 
混合気が濃いと火がつきにくいから進角。
これも間違いです。
混合気が濃いってことは、ガソリン分子と酸素分子が出会う確立が高くなるから
燃焼速度が速くなる ということだそうです。
 
 
それからもうひとつ。
2stは高回転にいくほど遅角させる。
そうしないと焼きつくからですが、これも間違いではないけど違います。
 
パワーバンドに入った2stの進角は意味が違うのです。
 
進角は、最初に言ったとおり最大爆発をATDC10にもってくるためですが
パワーバンド中の2stはそうではありません。
もちろんATDC10で最大の力になったほうがパワーが出るわけですけど
2stにはそれ以上に大事なことがあります。
吸気の充填効率です。
 
2stはそのままでは混合気が排気ポートから抜けてしまいます。
これを押し戻すのがチャンバーですよね。
 
点火タイミングのもうひとつの重要なポイントは、チャンバー効果を手助けするというのがあるんです。
点火のタイミング次第で、排気ポートから抜ける初速が変わるんです。
初速が違えば、チャンバーからの反射もかわりますよね。
初速を微妙にコントロールすることで、少しパワーバンドを広げることもできるんです。
同じチャンバーでも反射が微妙に変わるからですね。
 
なので、イメージとしては最大爆発を排気ポートが開き始めるあたりにもってくるって感じになります。
だから2stの点火タイミングは4stにくらべて極端に遅角になるんですね。
 
もちろん焼き付き防止という意味もあります。
一番高温になる最大爆発付近をシリンダー内に閉じ込めないでチャンバーに抜く。
そうすることで焼き付を防止するっていう効果もあります。
だけど、それが一番パワーが出るタイミングでもあるわけですね(^^)b
 
 
と、これが点火セッティングのほんの一部ですけど
こんなことを頭に入れてセッティングすると、キャブセッティング並みに楽しいですよ♪(^^)
 
 
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