車検引き取りの時に盛大なケッチンくらってクランクケースカバーを割ってしまったSRXですが
四苦八苦してようやく修理完了しました。
クラッチバスケットが部品が出ないし中古もいいものがなく、結局SRX400のものを買って
ドリブンギアとクラッチバスケットを分解してクラッチバスケットだけを使いました。
クラッチバスケットは600も400も共通で、ドリブンギアの歯数が違ってました。
それでやっと当初目的の走行セッティングをしました。
今回は細部のセッティングまで詰めたいので、A/F計をつかいましたよ。
お客さんのエキパイに穴を開けるわけにはいかないので、マフラーエンドに鉄パイプを突っ込んで
A/Fセンサーを取り付け。
センサー自体にヒーターが付いてるので、この位置でもそこそこしっかりした数値が出ました。
今までは一応走れる程度のセッティングだったんで五感でやってましたが、
今回A/F計を使ってみて、意外と勘も正確だったなー って感想です(笑
最終的には噴射時間10μ秒まで詰めることができました。
10μ秒は10万分の1秒です。
で、できた燃調マップがこれ。
横軸が回転数で、奥側がエンジン負荷です。
なんだこれ ふざけてんのかとお思いでしょうが、SP-TDCではこれでバッチリ ベストセッティングです。
エンジン負荷だけで噴射量を変化させる完全な2Dマップです。
今までここまでセッティングを詰めたことがなくて、はっきり言えなかったんですが
どこまで詰めても回転数で噴射量を変化させる必要はありませんでした。
普通の負圧方式やスロポジ方式ではこんな簡単なマップにはなりません。
SP-TDCだから完全にエンジン負荷だけに比例して、こんな簡単なマップになります。
これだけでアイドリングで空燃比15程度、巡航時14.2程度、加速時12程度になります。
ただ、キック始動のセッティングだけは難しい。
冷間でも温まってからもキック1~2発ではあるんだけど、キックの仕方によってはなかなかかからないときもありました。
そんで完成した車体がこちら。
かっこいいっすね。
言わなきゃインジェクションってわからない仕上がりになりました。
全くわからないのもなんなので、勝手にシールを貼らせてもらいました。
これを見て え? インジェクション? って気付いてほしいなぁという
ささやかなアピールです(笑
外からインジェクションとわかるのは、チラッと見えるスロットルボディ
左側の燃圧レギュレーターと高圧燃料フィルター
これだけです。
左側サイドカバーの中にSP-TDC V140 ユニット
どうでしょう
ノーマルの雰囲気を壊すことなく出来たのではないでしょうか(^^)
本日、遠く大分からオーナーさんが引き取りにいらっしゃいました。
カスタムした箇所をご説明して、少し試乗していただきました。
久しぶりのSRXで、キックは一発でかかったり、なかなかかからなかったりしておられましたが
試乗した感想は 「ノーマルとは全然ちがうね」 「うれしいなぁ」 と
ご満足いただけた様子でなによりです。
当初予定から大きくずれ込んで1年半もかかってしまい大変申し訳なく思っております。
また、そんな長い間あたたかくお待ち頂き、大変感謝しております。
このSRXは、こちらとしてもやりたかったことの全てをやらせていただいて、とても有意義な仕事でした。
本当にありがとうございました。
SRX600のインジェクション化、大成功です(^^)
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