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燃ポン問題も完了(^^)/

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話はちょっと前後して、他のユーザーさんで燃料ポンプの駆動回路が焼けてしまうという問題があり

SP-TDCと燃ポン、燃圧レギュレーター一式を送って頂いてました。
使用されている燃ポン、燃圧レギュレーターはこちらのものです。

どちらも新品で購入されたものです。
先日まであったZ1100GPもたまたま燃ポン、燃圧レギュレーターとも同じものだったので比較実験してみました。
燃料ポンプの駆動回路が焼けてしまうという問題も以前から何度かある問題で、現象再現ができていませんでした。これもまた装着当初に多く発生する現象で、走行していてはあまり発生したことがないのです。
今回、まったく同じ燃ポン、燃圧レギュレーターでSP-TDCも同仕様なのにZ1100GPでは発生しないのに、他の方は発生するという状況です。
ここまで条件がそろえば再現できるはずなので、両方の燃ポン、燃圧レギュレーターを使って検証しました。
と、その前に、今わかってる注意点をひとつ。
燃ポンのターミナル部分は、だいたい↓このようになってます。

ターミナル部分がボルトになっていて、これを締める際に工具が真ん中のアルミの支柱に当たってしまいます。
万一、キーONしたままやってしまうと間違いなくショートします。
そうなるとヒューズは必ず飛んでしまいますし、装着当初はテスト接続等でヒューズを設置していない場合が多々ありますので、そうなるとSP-TDCの駆動回路が焼けてしまうことになります。
基本中の基本ですが、配線をいじるときはバッテリーのマイナスターミナルを外すなどして十分ご注意ください。
で、今回はというと、送って頂いた燃ポンは、支柱部分にしっかりテーピングされてまして、この問題ではないと思われます。
ということで、比較検証はZ1100GPのものと送って頂いたものを全て一緒に接続してやってみました。

上が燃ポン2台、下のケースにおいてあるのが燃圧レギュレーター2台です。
燃圧計はそれぞれについていたものです。
これを同一ホースでつないで駆動してみました。
と、まずは一つ目の原因発見。
同一ホース上なので燃圧計は同じ値を示すはずですが、こちらがZ1100GPの燃圧計。

0.3MPa、約3キロですね。
ところが、送って頂いたほうは・・・

こちらはキロ表示で2.5~2.7キロで若干低く表示され、しかもフラフラと安定しません。
2点比較ではどちらが正しいかわからないので、うちの手持ちの燃圧計でも測ってみました。
本来ならちゃんと校正した燃圧計だったらいいんですが、残念ながらないので3点比較でZ1100GPとうちのが同じ値で、送って頂いたものだけ低めに表示されるので、3キロが正しいと思われます。
ということは、この燃圧計をあてにして3キロに調整すると、実際より高めの燃圧になり燃ポンに負荷がかかり消費電流が増える方向にいきますね。
さらに二つ目の原因。
燃圧を3キロに設定した場合、Z1100GPの燃ポンは4.8Aで、もう一方は5.2Aで若干多い電流でした。
どちらも新品購入なので劣化は考えられないし、この程度の違いは不良といえるほどでもないですよね。
個体差というべきでしょうか。
ここまでで、燃ポンの消費電流が若干多く、燃圧計の表示が若干低めでどちらも電流が増える方向になってました。試しに、この燃圧計で3キロになるようにすると7Aにもなってしまいました。
同じ燃ポン、燃圧レギュレーターを使っているにもかかわらず、結果としてZ1100GPのほうは4.8A、もう一方は7Aになっていたと思われます。
こんな些細な違いで、電流は約1.5倍になっていました。
しかし、仮に7A流れたとしてもその程度では十分耐えられる回路設計なのになぜ?
ということで回路の温度を計測してみると、ゆっくりじわじわと温度が上昇してました(^-^;
Z1100GPのほうの4.8Aでは、最終的に70度くらいまで上がりました。
回路的には問題ない温度ですが、ここまで上がる想定はしていません。
で、7A流すと回路温度は一気に上昇し100度を超えてしまいました。
これが根本的な原因ですね。
かなり大きなシートシンクを付けても温度上昇はあまり抑えられませんでした。
全く机上計算だけで作ってるわけじゃないのに、なんでこんなことに? と納得いかないので開発当初に使った燃ポンと同系の新品を購入してみました。

こちらはネットでよく見かけるもので、安いものだと3000円程度です。
ちょっと心配になるくらい安いですよね(笑
比較するとだいぶでかいです。

実験したところ、この燃ポンも電流は似たようなもんで5A弱です。
が、モーターの構造が違うのか、回路の発熱は若干低めでした。
それに燃圧を上げても電流の変化量か少ないし、流量そのものが多いです。
同じ流量にしようと思うと稼働率85%程度で、4Aを切る状態でした。
お安いけど、やっぱりでかい分パワフルなんですね。
ということで当初は回路OKと判断したんですが、回路自体がギリギリOKな状態にあったようです。
これもまた、うちのようなところだとユーザーさんのご協力なしにはわからなかったことなので
今回も本当にユーザーさんには感謝です。
で、回路を変更し発熱は30度程度に抑えることができました。
これで長年の燃ポン問題も解決です(^^)
SP-TDCの燃ポン駆動回路が焼けることはなくなりますが、この電流の多さはバイクにとっては厳しいでね。
5Aというと60W相当なので、SP-TDCは良くてもインジェクションシステム全体としてはまだまだ改善の余地がありそうです。
そこら辺が今後の課題ですね。
今回もパーツを長々とお貸し頂き、ありがとうございました。