SP-TDC納品後のお仕事"> SP-TDC納品後のお仕事">

SP-TDC納品後のお仕事

0
早くも 2月になってしまいました( ̄▽ ̄)
 
びっくり納期遅れだったV140も、ようやく出荷だけはオンタイムになりつつあります(^^)v
でもホッとして気が抜けたのか何年かぶりに風邪ひいちゃいまして、今週初めはダウンしておりました(^^ゞ
このインフルエンザ流行のさなか、流行にはのれずただの風邪ですけど(ーー゛)
そしたら今日はおだ。さんが風邪でダウンでございます。
 
なかなか調子にのれない日々です (┐・・┌)…
 
そんなことで、おだ。さんがいないと仕事も進まないのでブログ書いてます。
 
いつもSP-TDCの制作ネタばっかなので、今日はその後のお仕事も書いてみようと思います(^^)b
SP-TDCは既製品ではないので、納品して終わりなわけじゃないです。
っていうか、納品から始まる感じですね。
 
お客さんがご自身で装着&セッティングするわけですが、ほぼワンオフ制作みたいなもんなので
すんなり装着できて走り出せる方が少数派です。
装着にあたって色んなことが起きるんだけど、この辺をストレートに書いちゃうとバッシングの嵐に
なっちゃうので、すんげー書きにくいところですね(^_^;)
 
くれぐれも言っときますが、こっちは間違ってない、お客さんに問題があるんだ凸( ̄ヘ ̄)
ってことじゃなく、動かない原因をとことん追求するってスタンスでやってますのでお間違いなく。
結果としてこっちに問題がある場合もあるし、お客さん側に問題がある場合もあるってことで
どっちに原因があってもぼやかさないことが大事だと思ってます(^^)b
 
今回はお客さんの了解も得てるので、こんなこともやってます的なことで書いてみます。
 
一つ目はV120で調子良く走ってはいるものの、信号待ちでたまにストールする、
たまにヒューズが飛ぶといった症状です。
シーズンオフになったので、その辺の原因をつぶしたいとのことでお預かりしました。
まずSP-TDCの単体テスト。
 
 
 
 
 
 
 
 
しばらく廻して各部チェックしましたが、異常ないですね。
 
では今度は、一緒に送って頂いたハーネスでテスト。
 
 
これも異常は見当たりません。
 
普通に走行はできてたまに現象が出るとのことなので、根本的に問題はなさそうです。
実は、このテストをしてるときにお客さんから連絡がありまして、イグニッションコイルが壊れていたので
そっちが原因でしたとのことです。
 
とはいっても、イグニッションコイルはそんなに壊れるものでもないし、壊れるにも原因はあるわけだから
もうちょっと調べます。
 
イグニッションコイルが壊れたということは、イグニッションコイル配線がアースに落ちて過大電流が流れ
その結果ヒューズが飛ぶ、ストールするってことが考えられます。
ハーネスを調べていくと・・・  
原因になると思われる個所が数か所ありました。
 
直接の原因はたぶんここ。
 
SP-TDC本体のコネクタのイグニッションコイルにいく線です。
これはイグニッションコイルのマイナス側の配線で、タコメーター信号のために分岐したのでしょう。
ここか、あるいはタコメーターにいく配線のどこかが車体に触れることがあると思われます。
ちゃんとハンダ付けしてあるものの、先端がとがっていて絶縁テープを突き抜けかかっていました。
ここはSP-TDCの場合350Vにはなるので、この接続箇所でスパークしてしまいます。
こんなところでスパークすると誤動作もしたでしょうね。
 
となると、壊れたイグニッションコイルは1番だと思われるのでお客さんに聞いてみたところ、ビンゴでした。
 
メインハーネスのほうも配線処理のよくないところがありました。
ここもハンダ付けしてあるけど尖ってますね。
 
配線をカットしたまま絶縁されていません。
 
ここもですね。
 
お客さんも含めて数名が配線処理をやってるそうで、確かに色んなつなぎ方になってました(笑
 
配線処理にはやり方が色々あって、そのやり方にこだわりのある方も多いと思います。
どれが良いとは一概に言えませんが、繋いだ以上は絶対に問題が無いってことはないです。
こういうふうにしたから大丈夫 ← これが一番問題ですね。
配線は繋いでしまえばハンダ付けしようがカシメようが、その部分は抵抗になりますし弱くもなります。
繋いだ個所に問題が出るという慎重さが一番じゃないでしょうか(^^)
 
さて、原因究明はこのくらいにしときましょう。
いっそ直してくれとのことですので、ハーネスで問題が出そうなところは直してお送りします。
 
 
さぁ次は、V140で装着作業中のものです。
年末に一度はエンジン始動したもののすこぶる調子悪く、年明けに作業再開したら全く動かないという症状です。
電話やリモートメンテしたところ、どうもSP-TDC本体に問題がありそうなので送って頂きました。
 
 
確かに全く動作してません。
ピックアップコイルの配線部分を見てみると、通常2.5Vあるはずのところ0.487Vしかありませんね。
これは本体内部が壊れてます。
 
12Vから5Vを作る3端子レギュレーターという部品から、0.966Vしか出ていません。
3端子レギュレーターそのものが壊れたか、回路のどこかがショートしてるかですね。
 
3端子レギュレーターを外してチェックしてみます。
 
 
 

3端子レギュレーター単体で1.407Vしか出ていないので、3端子レギュレーターが壊れていました。
さて原因は?
これを壊すには35V以上の電圧をかけるか、1A以上の電流を流すかです。
 
電流は回路が変わらなければ変わることはないし、当然出荷時には動作していたので
過大電流が流れる要因がありません。
さらに部品自体に過大電流保護機能があるので、それで壊れるとは考えられません。
 
となると35V以上の過大電圧がかかったか、部品自体の初期不良!?
仮にレギュレーターがパンクしたとしても35Vまでにはなりません。
バイクで35V以上になるところは限られていて、点火系しかありません。
お客さんも心当たりはないということでした。
 
てことは、3端子レギュレーターの初期不良でしょうか。
部品を交換してテストしたところ、動きました♪・・・   が・・・   あれ?
バキュームセンサーの値がおかしい!?
そうすると、ここだな。
 
これはバキュームセンサー等の外部センサー用の電源部分です。
V140から改良した部分で、本体基板内の5V電源と外部センサー用の5V電源を独立にしました。
 
V120まではこの電源を共通にしていたため、バキュームセンサーを誤配線してしまうと
本体基板まで壊すことがあったので、外部用の電源は独立した回路に変更しました。
 
この部品を調べてみると・・・
 
 
 
やっぱり5Vあるはずのところ2.693Vしか出ていないのでこれも壊れています。
となると、同じ12Vライン上にある3端子レギュレーターが2個とも壊れているので
部品の初期不良ではなく、何らかの過大電圧がかかったのは間違いなさそうですね。
 
同じライン上にあるコンデンサも調べてみましたが、これは耐圧50Vで壊れてはいませんでした。
でも念のため予防交換します。
 
ハーネスには特に異常はなかったので、これ以上の原因究明はできません。
ただ、この車両はCDI点火からフルトラ点火に変更になる車両で、どうもその辺に何かありそうです。
 
CDI点火とフルトラ点火では、イグニッションコイルの配線が全く違うので
ノーマルとSP-TDCを切り替えられるような配線にすると問題が出る場合があります。
 
CDI点火はイグニッションコイルのプラス側に350Vのパルス電圧、マイナス側は車体アースとなります。
これがフルトラになるとプラス側はバッテリー電圧、マイナス側が350Vのパルス電圧になります。
ちょうど逆のような感じですね。
プラス側をノーマルCDIとSP-TDCで共用すると、SP-TDCの12VラインにCDIの350Vが
廻るので、このような壊れ方にはなります。
 
でもこれはあくまでも仮説なので、考えられることということでお客さんにはお伝えしておきます。
 
今回は2台だけご紹介しましたが、納品後にはこんな感じの作業をやってます(^^)
装着時には色んなことが起きますので、ご自身であれこれ手をつくす前に相談してもらえればと思います。
いかんせん、電話、メール、リモートメンテなので時間はかかってしまいますが
どこに原因があるかの切り分けはできると思います(^^)b
 
 
↓ポチッとヨロシクです(^^ゞ